マリオネット
「年齢も藤崎先輩くらいの歳なんです!」

 私に彼氏を自慢してどうするんだろうとは思ったが
「そうなんだ。私も挨拶したいから、外に出ようか?」
 彼女たちはニコッと笑って「はいっ」と答えた。

 飲み会が終わり、段々と人がいなくなる。

 三人で居酒屋の前に立ち、しばらく待っていると
「あっ、来た!」
 彼女が声を上げた。
 目線の先には、一般的にはイケメンと言われそうな男性が小走りにこちらへ向かって来る。

「遅くなってごめんね!」

「ううん。いつもお世話になっている、藤崎先輩です。こっちは私の彼氏の土屋さんです」

 いつもお世話って?と思いながらも
「初めまして。藤崎と申します。坂本さんにはいつもお世話になっていて……。ご挨拶できて良かったです」
 愛想笑いで誤魔化した。

「土屋です。いつもこの子から藤崎さんの話は聞いています。とても仕事ができる人だとか。これからもご指導よろしくお願いいたします」
 そう言って彼は頭を下げた。

 なんだ、ちゃんとした人なんだ。
 失礼だけど、もっと挨拶もできないような人かと思ってた。

 その時、坂本さんがフラッとしたように見えた。

 次の瞬間、坂本さんが私に故意ではないかと思うくらい勢いよくぶつかり、よろけてしまった。
 高さのあるヒールのパンプスを履いていた私は、側溝の金具にヒールが挟まり、転んでしまった。
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