マリオネット
「あっ……」
 凪の手の感触に思わず声が漏れてしまう。

 けど――。
 私も凪に気持ち良くなってもらいたい。

 本当は、もっと湿らせたいけど、我慢かな。
 お互いの性感帯を触り合う。
 室内に吐息が響いている。

「凪、気持ち良い?」
 ビクンと彼の身体が反応しているのが伝わってきた。

「うん。ヤバい」
 凪の表情を見ると、必死に我慢しているように見えて。
 それがまた私を刺激する。
 私は歪んでいる、絶対。

「そんなことされてると、陽菜乃さんに集中できない」

「いいじゃん。たまには。ていうか、私が居ない時に今まで一人で処理してたってこと?」
 私の問いかけに彼の顔が紅潮した。
 そして返事がない。

 しかし私の手は止まっていないため、時折小刻みに凪の体は反応した。
 凪の手は私の身体にもう触れてはいなかった。

「本当に止めて。俺、何もできてない。我慢するのに精一杯で。陽菜乃さんに触れられてない」
 苦痛にも似た表情で彼はそう告げた。

「じゃあ、今日はご褒美なんだから。凪が先にイって」

「そんな。ダメだよ」

「ご主人様命令です」
 そう言って私は凪から離れ、自分の手の動きに集中しながら彼の表情を見て、反応を探る。

「陽菜乃さん!待っ……。ん……」
 
 私ってSの気があるのだろうか。
 凪の苦痛と恥ずかしさ、気持ち良さが混ざった表情にゾクゾクしてーー。そんな表情を見ているのが楽しい。
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