黒百合の女帝
 二人でカヤの側に行けば、彼は真剣な様子で。

 「カケルの様子を見て、どう思う」

と問うてきた。

カケルよりも、カヤの下敷きになっている奴が気になるのだが。

椅子となった敵から視線を外し、観戦に興じた。

 「うーん。まあ、普通って感じかな。経験はなさそうだね。ラクアは?」

 「弱い」

遠慮のない彼の感想に、内心同意する。

普通と言ったが、実際のカケルは雑魚以下。

ラクアが居なかったら、せせら笑っていたのに。

少し残念に思えば、カヤが腕を組んだ。

 「これはだいぶ鍛える必要があるな……」

 「そうだね。丁度指導のプロも居ることだし。」

 「指導のプロ?まさか、あのハラじゃないよな?」

そんなカヤの考察に、勢い良くかぶりを振る。

 「もっと別に居るよ……あ、終わったみたいだね。」

彼の話をしようとした所で、丁度カケルが帰還。

その体は傷だらけで、右足を引き摺っていた。

 「なんとか終わったっす……」

 「よし、なら帰るか。聖蓮もこれで懲りたことだろうし……」

 「まだだ」

カヤの言葉を遮った、後方からの声。

一斉に振り返れば、そこには這い蹲る聖矢が。
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