黒百合の女帝
 値札プレートと睨み合い、早数分。

いつの間にか、ユリが隣に立っていた。

 「ラクア、買って来たよ〜。あれ、どうしたの?」

 「ああ。星の方を買おうか、検討していてな」

 「えっ、念の為言うけど、これラクアへのプレゼントだよ?両方欲しいなら良いけど……。」

袋を掲げながら、首を傾げるユリ。

どうやら、俺が自分宛てに買うと解釈したようだ。

全くもって違うのだが、否定はしないでおく。

しかし、これに対し耳飾りのみは後ろめたい。

なので、4000円以上する腕時計を買った。

差額は5000円に縮まり、自分の中で納得する。

しかしユリはまだ勘違いしているのか、

 「それ、結構小さい腕時計だね。どちらかというと女性向けだけど、大丈夫?」

などと俺の心配をしていた。
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