黒百合の女帝
 「俺は取り返しがつかない程、ユリが好きだ。でも、そんなの迷惑だろう?」

そう問い掛けるが、返事を待つつもりはない。

自制心が壊れた今、配慮をする余裕もなかった。

 「だから俺は麓冬から去って、ユリとの縁も切る。それで良い。俺は邪魔者だ」

 「違うよ。ラクアは大切な友達で……。」

 「友達なんかじゃダメなんだよ。ユリはわかってない。俺がどれほどユリを想ってるか」

 「まず、ラクアは前提から間違ってる!」

 「間違ってない。ユリはカヤと付き合ってる。俺がユリに恋をしても、悪い方向に進むだけだ」

 「だから、その認識が___」

 「もう良い。このままじゃ埒が明かない」

そう吐き捨てると、席から立ち上がる。

そして彼女を待たずに、外へと走り出した。

言いたいことは殆ど言い切った。

それにより、俺は最低に成り下がった。

それでも良い。彼女の居ない日々が訪れても。

俺は、彼女と関わるべきじゃないから。
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