黒百合の女帝
 酸素を頑張って取り込み続け、10分後。

落ち着いた所で、路上の壁に寄り掛かった。

貰った水を飲んでいれば、ユリが呟く。

 「うわ。五kmも走ってるよ、私たち。」

その言葉に、思わず自分の耳を疑う。

5kmを全力で走っても、ユリは余裕だった。

何者だと不思議に思えば、彼女が話を切り出す。

 「で、さっきの前提から間違ってるって話だけど。」

 「ああ、そういえばそんなこと言ってたな」

水を飲みながら、話に耳を傾ける。

ここで話すのか。まだ休みたいから嬉しいが。

などと考えていれば、彼女は溜息を吐いた。

 「今度こそちゃんと聞いてね?まず、私はカヤを恋愛対象として見てない。」

……は!?

衝撃の告白に、水が気管に入り掛けた。

強く咳き込めば、彼女が背中をさすってくれる。
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