黒百合の女帝
 「いやいやいや、二個目は流石に!遠慮するよ私だって!」

カフェの中だからか、小声で叫ぶユリ。

しかし、俺には二個のダメな理由がわからない。

 「まだ5000円分が残っているからな。今度三つ目をやる」

 「なんの5000円!?それに三個目は他の子に渡して!?ハラとかさっ。」

 「は?あんなクソ野郎にくれてやるか」

奴の顔を思い出しただけで、珈琲が不味くなる。

煩いし目障りだしクソだしマジで……

あ、気づかぬうちに顔が強張っていた。

ユリを確認すれば、なにやら笑っている。

 「麓冬のみんなとも仲良くしてね?それにしても、このイヤリング本当に可愛いね。」

イヤリングを手に取り、じっと眺めるユリ。

青く透明な花弁の、一枚一枚を観察している。
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