黒百合の女帝
 「これ、デルフィニウムかな。商品名は何だった?」

 「商品名は見てない。あとなんだその名前は。初耳だ」

 「そっか。まあ、デルフィニウムって事にしよっかな。」

ユリはそう言うと、何かに気付いたようだ。

イヤリングから視線を外し、俺を見てくる。

 「ねえ、何も知らないってことは、花言葉も知らないってこと?」

 「花言葉?そんなの知らないが」

突然の問いに、顔を上げて答えれば。

なぜか、ユリは不自然な程に微笑んでいた。

微笑みというか、にやけと言うのだろうか。

その反応を不思議がれば、彼女は両手で口元を隠す。
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