黒百合の女帝
 「さて、打ちのめす?それとも逃げる?」

 「後者」

 「了解、って言いたいところなんだけどね。」

 「ガキが!ぶっ殺されてぇのか!?あ!?」

チンピラは前者に事を運びたいようだ。

ならばそれで良い。が、私は応戦しない。

ラクアが一人で戦う姿は、見た事がなかった。

試しに、残鰐の純粋な実力を観戦するか。


 ところで、大衆の面前での喧嘩は避けたい。

一先ず、人目の付かない場所へ移動するか。

 「喧嘩なら、場所を変えましょうか。そこの路地なんかはどうでしょう?」

私の提案に、ラクアが驚いたように振り向く。

しかしそれとは対照的に、乗り気なチンピラ。

 「ああイイじゃねえか!サツに中断されることもねぇしな!」

男は爆笑しながら、ラクアの肩を掴んだ。

明らかな挑発に、とうとうラクアは応える。

 「わかった。一人で片付けてやる」
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