黒百合の女帝
 「おいテメェ!こんなことして許されると思ってんのか!?」

一人目の威嚇に、彼は何の反応も示さない。

それでも震えを隠し、虚勢を張り続ける男。

 「俺らはなあ、散華會(さんげかい)と繋がりがあんだよ!それでもイイのか!?」

そう叫ぶチンピラは、とても貧弱に見えた。

威張りもそうなのだが、足取りが覚束ないのだ。

そりゃあ気絶していたのだから、当然なのだが。

ラクアに慈悲はなく、攻撃を仕掛けようとする。

が、そこで四人目が彼を羽交い締めにした。

拘束された彼に向かって、一人目が拳を放つ。

しかし流石残鰐と言ったところか。

ラクアは易々と躱し、四人目を蹴り飛ばした。

瞬時に一人目の足も刈り、背を強く踏む残顎。

全体重を乗せられた男は、必死で抵抗する。

が、30秒もすれば意識を失った。

ようやっと路地が静かになった。

起き上がった四人目が、私の横を走り去っていく。

すれ違いざま、その貧弱な腕を掴んだ。

布は安物なのか薄く、骨の感触が伝わる。
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