黒百合の女帝
__________
______

 あれからおよそ30分後。

私たちは駅のホームで電車を待っていた。

椅子に座り、ラクアの弁解に耳を傾ける。

 「隠すつもりはなかったんだが……引かれると思って」

そう話すラクアの声は、通常よりも低い。

どうやら彼は、私を無知と思っていたようだ。

しかし、そんなのは彼の思い込みに過ぎない。

溜息を抑え、慎重に白状する。

 「ラクア。念の為言うけど、私は最初から知ってたよ?」

眉を下げて言えば、彼はこちらを振り向いた。

そして顔を両手で覆い、再び俯く。

 「ああ……そうか、すまん。なら良いんだ。ああ」

 「ごめんね。もしかして、知られたくなかった?」

落ち込んで見せれば、彼は横に首を振った。

 「いずれはバレると覚悟していた。大丈夫だ」

 「そっか……。私はね、嶺姫の頃に知ったんだ。残鰐の事。」
< 236 / 326 >

この作品をシェア

pagetop