黒百合の女帝
 これは事実。私は嶺春を通して残鰐を知った。

嶺春は、残鰐を勧誘しようとしていたのだ。

結局は捜索に難航、計画は打ち切りになったが。

因みに、私がラクアを入手したかった訳。

それは、嶺春の戦力が増幅するのを防ぐ為。

嶺春に残鰐が加われば、復讐は困難を極める。

そうなる前に、麓冬が残鰐を引き入れた。


 彼と屋上で会った日から、決意していた。

復讐の為ならば、どんな手段だって厭わない。

彼が私に向ける感情も、全て利用してやると。

 「今後、ラクアが嶺春から誘われる事もあると思う。」

そこまで言い、彼の方を振り向く。

彼は続きを理解したように、頷いてみせた。

その顔には、気を許したような笑みがある。

 「大丈夫だ。必ず断っておく」

 「うん。ありがとう。」

そう呟いた所で、電車の轟音が聞こえてきた。
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