黒百合の女帝
反嶺の行方
 「つまり、ラクアの中での俺は”ユリさんと両思いでもないのに交際しているヤバい奴”と」

 「そういう事で宜しくね。」

聖夜から一週間程が経ち、世間が落ち着いた頃。

新年初めての倉庫で、カヤに先日の詳細を話す。

全て聴き終えると、彼は嘆息を漏らした。

 「どんどん複雑になっていきますね。うっかり口を滑らしちゃいそう」

 「失言だけは勘弁してね。」

本の頁を捲りながら、カヤに忠告しておく。

部屋は一気に静かになるが、その数分後。

突如として扉が開き、鈍い音を立てた。

 「ヘロー!速報あるけど聴きたい?聴きたいよね!じゃあ言うね!」

煩い奴が入って来た。

眼球を動かせば、扉の前にはハラが。

訳は知らないが、いつもに増して喧しい。

まあ、その姿に関心は一切湧かないのだが。

読書を続行すれば、ハラが目前に迫って来る。
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