黒百合の女帝
 「無視はひどくね?あの獄覇が嶺春に潰されたってのに〜」

不満そうな口調に、本から顔を上げる。

視界に映った彼は、嬉しげに目を細めていた。

 「よーやっと興味出た〜?ヤユくんから決行日を聞き出して、生で見たんだ〜」

 「ヤユが?嶺春の方が喧嘩を売ったってこと?」

 「それがそーなんだよ!ちょっと意外よね」

ハラと話しつつ、書籍を閉じる。

カヤの方は、話を理解していない様子だった。

 「あの……獄覇ってなんでしたっけ?」

 「暴走族だよ。前言った、反嶺派の過激派集団。」

私が簡素に伝えれば、彼は思い出したようだ。

小刻みに頷き、一人で納得している。

 「じゃあ、嶺春は敵対組織を潰す体制に入ったと?」

理解の早いカヤに、同意の意思で頷いた。

嶺春が動き出し、反乱組織は激減するだろう。

こうなると、活動に制限が掛かってしまう。

何をしたって目立ち、いつかは淘汰される。
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