黒百合の女帝
 「貴重な情報をありがとう。もう帰って良いよ。」

熟考しつつ、ヤユを早急に追い返す。

今は一人で考えたかった。

 「え?もういいの?訊きたいことはない?」

 「うん。情報提供ありがとう。また用があったら呼ぶから。」

手を適当に左右に振り、彼の後ろ姿を見届けた。

前提として、反嶺派は例の作戦を知っていた。

つまり誰かが情報を漏らした訳だが。

今回はいつもに比べ、機密性が低い作戦。

反嶺派に情報が漏れていても仕方ない……が。

嶺春からの逃走には、あるアイテムが必要だ。

それが、嶺春管轄区域の地図。

嶺春の縄張りに関する情報が記されている地図。

そこには同盟先の溜まり場、警備の体制もある。

それを入手せねば嶺春から逃れるなど不可能。

だが、その地図は幹部以外は閲覧すら出来ない。

ここで、一つ新たな可能性が見えてくる。

嶺春幹部に裏切り者がいる、という可能性が。
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