黒百合の女帝
 目当ての連絡先を探し出し、指で触れる。

すると数秒もしないうちに通話が繋がった。

 『ほいほーい。誰ですか〜?』

 「相手は確認してから出た方が良いよ。で、ハラ。嶺春の情報を売ることで有名な人って知らない?」

私がそう問うと、ハラは呑気な笑い声を上げた。

そして考える様子もなく、すぐに回答を寄越す。

 『情報屋のこと?だいたい嶺春に捕まっちゃうし、生きてんのはノームくらいかなあ』

 「ノームって妖精の?」

 『いいや?ノーネームを略してノームらしいよ』

なんだそれ、と内心ぼやきつつも質問を続ける。

 「なら、そのノームの詳細を教えて。」

 『おけ!まず、ノームはメールでしかやり取りしない。話すには紹介して貰うしかなくて、情報は一つ三万円から。メールの返信がある営業時間は午後11時から0時まで。嶺春の幹部以上って噂もあったな〜。あ、嶺姫説もあったな』

彼の話を聞きながら、嶺春幹部を思い浮かべる。

全員携帯は所持していたが、二台持ちかは不明。

中古などなら、安く買うこともできるし。

それから、最後の説は全面否定だ。 

それに、まだノームが嶺春幹部とは限らない。

ノームと幹部が別人である可能性も残っている。

思考を巡らしつつ、礼を言って電話を切った。

それに引き続き、とあるアプリを開く。

もしミヤビが無実ならば……。

私の善意に、是非とも答えてくれる筈だ。
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