黒百合の女帝
 フリック入力を終え、二度ほど読み返す。

修正箇所がない事を確認し、メールを送信した。

 『ノーネーム様、こんばんは。ゆーぽんと申します。此度はお尋ねしたい事があって連絡させて頂きました。単刀直入にお尋ねしますが、嶺春総長である椿 優日の住居がどこにあるのかを教えて頂きたいです。』

というメッセージに対し、返信は一瞬で来た。

 『こんばんは、ゆーぽん様。お値段は十万円となりますが宜しいでしょうか?』

十万……最低でも三万円かららしいが。

やはり個人情報ともなれば高値がつくのか。

まあ、ヤナギにとっては安いものだろう。

 「カヤ、十万だって。」

まだ口論を続けているカヤに、そう伝える。

すると彼は途端に静かになり、目を見開いた。

 「十万!?なに訊いたんですか!?」

突然大声を出し、画面を覗き込んでくるカヤ。

彼に画面を見せつけると、両手で顔を覆った。
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