黒百合の女帝
 先程と変わらない、淡々としたやり取りだ。

送金の準備の最中、カヤが覗き込んできた。

その表情はたちまち渋面に変わる。

 「うわっ、また十万って……」

 「払うのはカヤじゃないでしょ。」

 「というか、なんでわざわざ二台のスマホを使うんですか?」

 「このアプリ、一日で最大十万円までしか送れなくて。」

などと喋りながら、ノームに十万を送金する。

ノームからは入金を確認したという旨の返信が。

事務的な返しをすれば、数秒後に返答が来る。

 「わ〜、ユリめっさニヤついてる〜。どしたん?」

ハラの棒読みとも取れる声に、顔を上げる。

そして含みのある笑みを向けて見せた。

 「ノームの正体は九割方ミヤビだよ。」
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