黒百合の女帝
 僕と彼との関係は、二ヶ月前まで遡る。

倉庫の幹部室で参考書を解いていた時の事だ。

丁度その時、視界の端で扉が開かれた。

どうせ幹部だろうと思い、顔を上げたのだが。

扉の前には、見知らぬ少年が立っていた。

顔を顰めかけたが、なんとか笑みを浮かべる。

優男を演じるのは、もはや慣れたものだった。

 「どうしたの?ノックくらいしてくれれば良いのに。」

 「ああ、すみません。今ここって、副総長だけですか?」

鈍臭そうに見えるが故に、面倒臭く思った。

当然、顔には一切出さなかったが。

 「僕だけだよ。誰かに用があるの?」

 「副総長になんですけど……ここじゃなんですし、場所を移しましょうか」

一体なんの話を始めるのだろうか。

不審に思いながらも、僕は席を立っていた。

同時に、ズボンのポケットにスマホを仕舞う。

仕草をし、録音を始めた。

 「近場に丁度良いカフェがあるんだけど、そこで良い?」
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