黒百合の女帝
静流side

 今日も相変わらず面倒な一日だった。

溜息を吐き、校門を潜ったその時。

 「シズル、久しぶり」

そんな声と共に、肩を叩かれた。

心臓が跳ね上がると同時に、後ろを振り向く。

誰だ、喧嘩でも売ってんのか!?

と思ったが、相手の顔を見た途端言葉を失った。

 「え……もしかしてカヤにい?」

 「その通り。っていうか、髪染めた?」

そう微笑むのは、3年ぶりのカヤにいだった。

カヤにい。4歳離れた兄、ユキにいの幼馴染。

彼が受験勉強で忙しくなって以来の再会だ。

髪は白く染めてるし、雰囲気も大人びている。

が、確かにカヤにいで間違いなかった。

 「それはカヤにいこそ……っていうか、え?なんでここに?ユキにいは?」

 「あいつは居ない。というか、あいつには俺とあったことは言わないでくれない?」

 「え?なんで?」

 「事情があるんだよ。まあ、久しぶりだしなんか食おうぜ」
< 284 / 326 >

この作品をシェア

pagetop