黒百合の女帝
 天楼倉庫に、そのファイルは隠されていた。

ゴミから取り出したそれを、素早く持ち出す。

今度はさっきの店とは違う飲食店に入った。

席に座ってから、ファイルの中身を確認する。

そこには、反嶺派の逃走先が記してあった。

全ページ分の写真を撮り、くまなく目を通す。

反嶺派消失事件の全容、反嶺派の逃走先。

入念に計画を練った跡が、そこにはあった。

が、これは天楼にあってはいけないものだ。

ここには、天楼が主犯である証拠もあるのに。

多分、元は天楼が捨てた証拠物品なのだろう。

あの男は何がしたい?天楼を貶めたいのか?

……いや、これが本物なら調査は進展する。

これで、誰よりもユリの役に立てる。

そう考えるだけで、動悸が激しくなった。

もっとユリの役に立つためには。

そう考え、手元のファイルに目線を落とす。

まずは、ここに記されている逃走先に向かうか。
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