黒百合の女帝
 ファイルを天楼倉庫に戻し、数十分後。

今は刑牙の避難先である廃ビルに来ていた。

ファイルの通りなら、ここに刑牙が居る筈。

なのだが、中には人っ子一人居なかった。

人が居た形跡も、バイクも何もない。

写真を何枚か撮りながら、溜息を吐く。

もしや、彼らは拠点を転々としてるのだろうか。

そのような計画はファイルになかった筈だが。

まあいい。次にここから近いのは蝋火の倉庫だ。

あれによれば、蝋火は神社の裏に逃げたらしい。

雲行きは怪しいが、確認してみよう。

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 やはり、何も無いか……

予期していたことだ。しょうがない。

人の出入りが少ない、古びた神社。

その裏手に来たのだが、勿論誰も居ない。

ここも写真を撮るが、意味はないように思えた。

時刻を確認すれば、既に午後七時を過ぎている。

九時まであと一時間と少し。

九時からは天楼の監視だし、早く戻らねば。

歩幅を大きくして、急ぎ足で神社を後にした。
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