黒百合の女帝
 どうやら、私は運が良いようだ。

彼らは全員で体育館に集まっているようだった。

それに加え、ハラも来てくれるらしい。

緊張しつつ、窓を軽く覗き、中を確認する。

まず驚いたのは、刑牙の総長が居たことだ。

よく見れば、刑牙の幹部が全員揃っている。

つまり、ここは刑牙の避難先ということか。

早速スマホを録音機能にし、会話を盗み聞く。

が、体育館は広い。殆ど会話は聞こえなかった。

だが、一際大きい声で演説している人物がいる。

緑の帽子が特徴の男だ。

彼の声は所々だが聞き取ることができた。

 「天楼の噂を……証拠は……みなさんは安心……孔冥(コウメイ)の総長が何とかしてくれます!」

最後の言葉が一番聞き取りやすかった。

演説の端々を聞きつつ、内容を推測する。

この男は話し方からして部外者なのだろう。

どこか説得しているような響きもある。

天楼の噂とは。既にある噂のことだろうか。

証拠とはファイルのことか、又は本物のことか。
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