黒百合の女帝
 などと考えていれば、更なる大声で彼が一言。

 「また金曜に聞いてくるので、土曜日に報告します。その時には総長も連れてくるので、みなさんを安全に保護することを約束しますっ」

数十名分の不安が、どよめきを生んでいた。

しかし、何者かがそのざわめきを沈めた。

多分総長だろう。かすかに声が聞こえてくる。

校舎からは、黒い服の男が出てきた。

緑の帽子から、あの男と同一であるとわかる。

もう帰った方が良いだろうな。

そう判断し、足音を殺してヤユの元へ戻る。

その途中、一台の赤いバイクが横切っていった。

先程、校舎から出てきた男のだろう。

咄嗟の判断で写真を撮り、確認する。

あの場にこの柄のバイクは一台だけだった。

今度はメッセージアプリを開き、ハラを選択。

 『今バイクで来てるなら、赤いバイクを追いかけて。近くに居るんでしょ?』

そのメールの返事は、『り』の一言だった。
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