黒百合の女帝
 麓冬倉庫に戻った頃には、二時を過ぎていた。

学校では寝れないし、家で熟睡コースかな。

欠伸を噛み殺し、ハラとヤユを見る。

二人は昼夜逆転のおかげで元気そうだった。

 「ねえユリ。俺はあの男の住所を掴んでやったって訳なんですけども」

 「礼はするから。明日ね、明日。」

そう返せば、ハラは頰を膨らませた。

幼児のような演技が癪に障る奴だ。

しかし彼はすぐに表情を戻し、伸びをした。

 「にしても、刑牙も大胆なことするねぇ。まあ、合理的ではあるけど」

 「え?なんでそう思うの?」

 「結構聖蓮の解散って知られてないんだよね。まだ聖蓮が健在してるって思ってる奴も多い」

 「あっ、聖蓮の倉庫って思ってるから、みんな見落としちゃうんだ」

 「そういうこと。では中継のユリさんに繋ぎます。ユリさ〜ん」

 「はいはい。まずわかったのは、嶺春・天楼・刑牙のそれぞれに諜報員が送られていること。」
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