黒百合の女帝
 私がそう言うと、ハラが頬杖を突いた。

 「で、Xは結局誰なのさ。それがわかんないとつまんな〜い」

 「それに関しては、これを見て。」

そう言い、私はスマホの画面を二人に見せる。

そこには、カヤとの会話履歴があった。

 『知り合いの副総長から情報がありました。どうやら、梅井叶鳴は嶺春倉庫にも出向くそうですが、火曜と金曜だけは必ず断りを入れるそうです』

以上の文章を読んだ二人は、眉間に皺を寄せた。

 「梅井叶鳴……?俺、聞いてないんだけど」

 「僕も!悪い奴?」

 「Xの最有力候補ってとこかな。でも、偶然にしては出来過ぎじゃない?」

ヤユは頷くだけだが、ハラは違った。

頬杖を崩し、机に張り付きながら異議を唱える。

 「証拠にしては薄いね。習い事とか、そういう習慣があるとも考えられる」

 「そう。だから、これから裏付けは取るつもり。」

そう答えてやったのに、彼は上の空だった。

相槌を打ちつつも、焦点は遠くに向いている。

まあ、ハラのことなどはどうでもいい。

なにより、今回謎は更に増えたのだ。

コウメイ……確かにそう彼は言っていた。

一つの単語のような言い方だと感じたのだが。

まあ、聞き間違いかどうかもすぐに判明する。

次は、ようやっと彼らの根元に触れる。

諜報員全員を、金曜に尾行する。
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