黒百合の女帝
 「ユリも麓冬の一員だ。任務は平等に与えられる」

 「そんなのおかしいだろ。能力に関係なく、ユリの立場は非戦闘員だぞ」

 「今回は戦闘じゃない。調査だ。それにハラもいる」

 「ハラが信用できるとでも思ってんのか?」

 「え、俺目の前でディスられてる〜」

私の横で、楽しげに言い争いを眺めるハラ。

そこに自分への悪口に悲しむ様子はなかった。

しかし、鑑賞している場合ではない。

任務開始まで、残り一時間を切っているのだ。

 「ラクア、私は大丈夫だから。それに、ハラとは何年間も一緒にいるしね。」

笑みを作り、ラクアの方を向く。

するとラクアは俯き、溜息を吐いた。

 「俺も早く任務が終わったら、そっちに行く」

 「うん、ありがとう。」

なんとか収まったことを、カヤも察したようだ。

少し躊躇う様子を見せた後、一つ頷いた。

 「では、それぞれ持ち場に着くぞ」
< 306 / 380 >

この作品をシェア

pagetop