黒百合の女帝
 彼は立ち上がると、カヤの方に詰め寄る。

 「まさかシズルに聞いたの!?ちょっとカヤ、約束と違うじゃんかっ!」

その剣幕に、ヤナギらしくないと感じる。

常に余裕そうな癖に、豹変ぶりが凄まじい。

それに対し、カヤは面倒臭そうにしていた。

 「目的までは言っていません」

 「もう……これ終わったらお説教だからね」

 「どーぞお好きに」

カヤの生意気さに、ヤナギが顔を顰める。

しかしすぐに表情を戻し、机に戻ってきた。

 「ごめんね、ユリ、ハラくん。驚いたでしょ?」

苦笑を浮かべ、私とハラを交互に見るヤナギ。

私が首を横に振ると、ヤナギは吐息を吐いた。

そういえば、ハラがやけに静かだな……。

と思い隣を見れば、そこには寝こけるハラが。

肩を思いっきり叩けば、彼は飛び起きた。
< 312 / 380 >

この作品をシェア

pagetop