黒百合の女帝
 私の合図に、空気は一気に散漫となる。

いつも通り、いち早く帰ったのはヤナギだった。

その様子を見届け、ゆっくりと飲み物を傾ける。

そんな時、ふととある疑問を思い出した。

 「ねえ、結局カナルの動機ってなんだと思う?」

私の問い掛けに、カヤが首を傾ける。

 「さあ……普通に地位が欲しいとか?っていうかインク消えないんだけど」

そう呟き、ホワイトボードを強く擦るカヤ。

しかし途中で諦め、こちらに戻ってきた。

 「そういや、シズルが言ってたなあ。伝説の不良って噂があるとか」

 「なら、既に地位は持ってるってこと?」

私の問いに、カヤが頷く……。

前に、突然ハラが机を強く叩いた。

その音に驚いたカヤが、後ろに一歩下がる。

 「それだっ!思い出した思い出した!」

 「なに?煩いんだけど。」

睨み付けるが、ハラの興奮状態は続いた。

 「ずっと梅井叶鳴って名前に引っかかってたんだよ!いや〜俺って天才!」

 「おい、一人でなに盛り上がってんだよ」

カヤが腕を組み、私と同様にハラを睨む。

しかしハラは依然として得意げだった。

 「聞いて驚くがいい……梅井叶鳴は、嶺春の二代目幹部だよ!」
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