黒百合の女帝
 なぜその名前の中に私が居ないんだ?

ヤユとハラは、元嶺春だから不安なのだろう。

ならば私も当てはまる筈なのだが。

もしや、私は把握されていないのだろうか。

まあ、今は話を聞こう。

 『んで、二人が反嶺派と証明するためにシンレイハを襲えって言ってた。シンレイハって親しいって書くの?』

 「ああ。親しいで合ってるよ。親嶺派は嶺春と同盟を組んでる族とかのこと。」

 『へー。Xくんは麓冬の仕業って絶対にバレないって言ってたけど、どう?』

ああ、ミヤビを利用するのか。

ヤナギの話を聞きながら、あの男を思い出す。

それにしても、これは罠なのだろうか。

嶺春とカナルが共謀している可能性もある。

嶺春がヤユや私を取り戻す為の計画、とか。

しかし、それにしては不必要な工程が多い。

嶺春は私たちの居場所がわかれば良いのだ。

それなら麓冬を調べた時点でわかっている筈。

ということは、これは嶺春の罠ではない。
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