黒百合の女帝
家結side

 『大事な話があるから、麓冬倉庫に来て。』

昨日、ユリちゃんからそんなメッセージが来た。

どうにも、いい予感のしないメッセージだ。

一応明るい返信をしておいたが……

はっきり言って、すごく不安だった。

麓冬から出てけ、とかじゃないといいんだけど。

そんな暗い気持ちのまま、倉庫にやってきた。

扉を控えめにノックしてから、中に入る。

そこには、椅子の上で俯くユリちゃんが。

思わず怯んでいれば、彼女が顔を上げた。

 「ああ、ごめんヤユ。気付かなくって。そこに座って。」

 「あ、うん」

ぎこちない返事を返し、椅子に腰を下ろす。

彼女の口が動き出す瞬間が、恐ろしかった。

目線を下に落とし、沈黙を貫く。

そんな重い空気の中、彼女は言葉を発した。

 「ヤユ、覚えてる?春架って。よく倉庫に遊びに来てた。」

 「えっ?そりゃあ、覚えてるけど……」

予想外の導入に、顔を上げる。

しかし、彼女の表情は晴れないままだった。
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