黒百合の女帝
 一時間後もせず、決着が付いたも同然だった。

顔も知らぬ男の頰を殴りつつ、戦況を見極める。

センスに欠ける赤い特攻服を着た奴は五人。

対して桜蘭高校の制服を着た奴はその四倍。

それだけの数が、現状抗う体力を持っていた。

その様子を確認した後、素早く男の足を刈る。

倒れたそいつの鳩尾に追撃し、その場を離れた。

近付くは、暇そうに突っ立っていたハラの元。

 「ハラ、制服は何年振り?」

 「二年振り。この感じ懐いわ〜。ブレザーのがよかったけど」

 「学ランは百鬼夜行の幹部と私たちしか着てないね。」

 「なーんか四年前から桜蘭ってブレザーになったらしいよ」

彼の話を聞きつつ、百鬼夜行の幹部を一瞥する。

旧制服である学ランは幹部の証ということか。

まあ、外部からの私たちも着ているのだが。

などと考えていれば、視界にカケルが入り込む。

彼を目で追いながら、ハラの意見を求めた。
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