黒百合の女帝
 「今更だが、一つ、訊きたいことがあるんだ」

 「へえ、私の休日を潰してまでする話なんだ?」

心が乱れている様子を、フォークに投影した。

彼は分断されたケーキに閉口し、暫し下を向く。

それでもまだ懲りないのか、再度懇願してきた。

 「本当に申し訳ないと思ってる。でも、これだけは訊きたいんだ」

 「そう。手短にお願い。」

彼の熱量に反し、口から出てくるは単調な返事。

それを受けたユウヒは、項垂れた格好になった。

 「まず……あの時、何もしてやれなくてすまなかった」

 「はあ。」

 「俺は総長として、もっと冷静な判断をするべきだったと反省している」

謝罪を聞く為に席を貸したつもりはないのだが。

知り合いの有無を確認し、続きを催促してみる。

 「それで?」

 「その……答えたくないなら本当にいいんだが」

 「何?言わないなら帰るけど。」

苛立った口調で、鞄の把手を掴み掛ける。

するとユウヒは焦ったように手を伸ばした。
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