黒百合の女帝
 「俺の名前は八雲 草希(ヤクモ ソウキ)。君は?」

俺の前に紅茶を置くと、向かい側に男が座った。

男……ソウキさんは、えぐいカッコイイ人だった。

すこし緊張しながら、自己紹介をする。

 「俺は佐川 翔琉っつうんすけど……ここは?」

 「ああ、嶺春って暴走族の倉庫だよ。倉庫ってわかる?」

……はっ!?嶺春ってなんかやべえ奴らじゃん!

あまりの衝撃に、うっかり紅茶を零してしまった。

ソウキさんからハンカチを借り、水滴を拭う。

その間、頭の中はずっとぐちゃぐちゃしていた。

カヤさんに、嶺春には絶対に着いて行くなって!

言われてたのに……帰ったら叱られちまう!

などと考える間に、ソウキさんは言葉を続ける。
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