黒百合の女帝
優日side

 「ユウヒさんが、好きなんです。出会った時から、ずっと!」

どう断ったら、彼女を傷付けずに済むか。

真っ先に、そんな事に思考を使った。

もはや、端からその愛を享受する考えはなかった。

俺には彼女への返事を選ぶ権利すらないのだから。

意識を頭から目に移し、彼女を眺める。

今にも泣き出してしまいそうな目。

息を凝らし、真一文字に結んだ口。

崩れ落ちてしまいそうな程に震える脚。

俺と目を合わせる為に乗り出した体。

その全てが脆くて、どうも後ろめたくなる。

か弱い彼女が、力を振り絞ってくれたのに。

俺は彼女の半年分の一言を、一瞬で導いた一言で断るのか。

それは彼女の半年を無駄に変えてしまうのでは。

いや、それは自惚れなのだろうか。
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