黒百合の女帝
百合side

 「ユリさん、お返しです」

とある日曜日。麓冬倉庫にて。

休日ということもあり、時刻はまだ午後七時。

その所為で、倉庫には私とカヤしかいなかった。

渡された小さな袋で、今日の日付を思い出す。

3月14日。五箇条の御誓文が発布された日だ。

それと、バレンタインデーの一ヶ月後でもある。

 「そういえばチョコ渡してたね。」

 「ブラッ◯サンダーでしたけどね」

カヤの話は聞き流し、袋から中身を取り出す。

手に取ったのは、紺色のリングケース。

中を開けると、そこにはシルバーの指輪が。

 「これ、私がカヤにあげたのと同じじゃない?」

 「は?いや全然違いますよ。一目見たらわかります」

 「そうなの?私があげたチョコは40円だったけど。」

指輪を嵌めようとするが、どの指が良いのか。

考えもなく、カヤと同じ位置に嵌めておいた。

 「これいくら?」

 「ユリさんから貰った指輪よりかは高いかと」

 「そう。まあ私があげた指輪とチョコを合わせれば妥当か。」

 「あまり変わらないと思いますけど」
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