黒百合の女帝
 「ヤユ、なにが……」

 「ありがとうね、ヨウ。でももう、大丈夫だから」

聞き続けたら泣きそうで、思わず彼の声を遮る。

ヨウは異変を感じたのか、突然席から立った。

そして僕の元まで来ると、顔を覗いてくる。

尚のこと、絶対に泣けなくなってしまった。

 「大丈夫じゃないだろ、顔色悪いぞ。なにがあったんだよ」

 「そういう大丈夫じゃなくて……」

もう、僕を心配する必要はないよ。

だって……僕はもう、そんな価値もないから。

 「ヨウ。今日で、最後にしよう?こうやって仲良くするの」

心臓が嫌な音を鳴らす中、決別を口にする。

突然すぎるそれに、ヨウはしばらく固まった。

そんな彼の第一声は、「は」のたった一文字。

理解できていない彼に、同じことを二度言う。

 「僕、もう嶺春のみんなとは縁切るから。ヨウも、もう来ないで」
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