黒百合の女帝
 はっきりと伝えた途端、ヨウは顔を歪ませた。

怒ってるし、悲しんでるし、困惑してる。

そんな彼は、真っ先に怒りを顕にした。

 「なんでそんなこと言うんだよ……別に縁切る必要なんかねえだろ!友達だろ!?」

 「あるんだよ。事情は……言えないけど」

 「んだよそれっ、突然っ、わけわかんねえよ……」

消え入りそうな声で、膝から崩れ落ちるヨウ。

僕も椅子から降りて、肩を抱きたかった。

それでも必死に拳を握って、何とか耐えた。

未練がましいままじゃ、また会いたくなる。

だから、ヨウの前では冷たい人にならなきゃ。

 「ヨウ。もう帰って。僕の前から、居なくなって」

涙が出る前に、早く立ち去って欲しかった。

ヨウはそれを知ってか、すぐに立ち上がった。

そのまま無言で出ていき、視界から消えるヨウ。

玄関の方から、扉が閉まる音がした。

机の上には、何も書かれていないチョコがあった。
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