黒百合の女帝
 私が惚けると、ラクアが一瞬視線を外す。

そして、事もなげにバーガーをもう一口食べた。

 「そういえば、ユリから貰ってばかりだったな」

そう。私が食べ物を貰ったのは、カヤからだ。

彼はそれを気付かれぬよう、後ろから見ていた。

彼は当時の犯行を墓まで持っていきたいようだ。

 「それで、ポテト欲しいんだけどな〜?」

 「ああ、そうだったな。好きなだけ食べて良いぞ」

ラクアからの許可を受け、ポテトを一本摘む。

塩気の効いたそれも、普遍的な味だった。

しかし、貰った分際で不味いとは言えない。

 「これ美味しいねっ。映画館のやつより好きかも!」

 「そうか?俺はそこまで……」

なんだよ、折角私が気を遣ってやったのに。

角を合わせず、肉まんの包装紙を適当に畳んだ。
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