黒百合の女帝
 嶺春倉庫の、広場になってるところの隅。

そこにある長椅子に、いつもソウキさんは居た。

一目散に向かえば、歓迎してくれるソウキさん。

 「カケルくんっ。今日も来てくれたんだ」

 「はいっ!ソウキさんのためならいつでも駆けつけるっす!」

 「ありがとう。今日は一緒に買い物したいんだけど」

 「いいんすか!?めっちゃ行きたいっす!」

俺が喜べば、ソウキさんも喜んでくれる。

憧れの人が、俺にファンサしてくれる。

カヤさんとはできなかった体験が、超嬉しかった。

二人で倉庫を出て、繁華街へと向かっていく。

その途中で、ソウキさんが首を傾げてきた。

 「そういえば、総長さんから返事は来た?」

 「まだなんすよねえ……それが」

 「そっか〜。早くカケルくんと訓練とかしてみたいなあ」

そう言って、優しく笑うソウキさん。

最初は嶺春に入るなんて考えもしなかった。

けど、ソウキさんと居るうちに考えは変わった。

この人に近づきたい。もっと一緒にいたい。

そんな思いから、嶺春に移籍することに。

カヤさんとの言いつけは破っちまったけど……

今の俺には、カヤさん以上に大事な人がいるんだ!
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