黒百合の女帝
 「麓冬の方ですか?初めまして〜。草希です〜」

 「ああ、嶺春?うちの子がお世話になったようで」

副総長さんはそう言うと、軽く俺の手を引いた。

思わずどきっとすれば、反対の手をソウキさんに掴まれる。

えっ、これってときめいていいやつ……?

 「カケルくんとお話ししたいんだけど。借りていい?」

 「ちょっと無理なお願いかもしれませんね〜」

互いにメンチ切り、俺の手を引っ張る二人。

ダメだ!ドキドキがヒヤヒヤになってる!

 「痛いっす!俺で綱引きしないでください!」

そう叫ぶと、先に手を離したのはソウキさん。

その隙に、副総長さんが俺を強く引っ張った。

倒れる暇もなく、副総長さんが全力で走り出す。

手を振り払いたくても、馬鹿力すぎて無理。

結局、副総長さんに導かれるまま歩いたのだが。
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