黒百合の女帝
 頭を下げつつも、笑みが抑えきれない。

ほぼ反射での返事に、副総長さんはにっこり。

その天使、いや神な態度に胸をぶっ刺された。

こんなにいい人、他に見た事ねえ!

半年もあれば……多分なんとかなるし!

絶対、父ちゃんも喜ぶに決まってる!

 「あ、それで対価の話だけど」

 「えっ」

予想外のことに、ミスって声が出た。

そうじゃん。もうお願いしちゃったんだけど。

……まあなんとかなんだろ!

副総長さんが神だと信じ、精一杯頷いてみせる。

 「対価!上等っす!なんすか!?」

 「対価って程じゃないよ。ただ、嶺春への移籍は辞めて、麓冬に18歳まで残る。これでどう?」

 「そんなことでいいんすか!?」

思わず拍子抜けし、席を立ちそうになった。

想像よりも、ずっとずっと簡単なことだ。

詐欺に付き合えとかかと思ってたけど……

やっぱり副総長さんはすっげえいい人だ!

 「カヤさんもっすけど、副総長さんも超かっけえっす!」

 「どう?推し変しちゃう?」

 「箱推しさせてもらうっす!」
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