黒百合の女帝
 そろそろ、視界が慣れてきた。

という頃に、恐怖がより一層増す。

体躯の良い男たち、爪でも剥がしそうな器具。

こいつらはどこの誰なのか。何をするのか。

そんな疑問よりも、真っ先に恐怖が襲ってきた。

これは……マジでやばいやつだ。

 「おい、これが若頭の息子かよ。ひょろっちいなあ〜」

 「なるはやで情報吐けよ〜。爪なんていくらでも生えてくるからな」

男たちの不気味な笑みが、鼓膜に張り付く。

ヤナギさん。ユリさん。親父。あと神とか悪魔とか。

誰でも良いから、とにかく助けてくれ。

そんな思いで叫ぶが、返ってくるのは嘲笑のみ。

 「来るわけねーだろ。大人しく教えてくれた方がずっと楽だよ〜」

 「じゃあ早速訊くけど、柳組の____」
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