黒百合の女帝
 「なんでっ、違いますって!まず相手は未成年で!」

 「ああはいはい。俺が言いたいのはそれじゃなくって」

グラスに持ち替え、ビールを注ぐヤナギさん。

焦らそうとしているのだろうか。普通に迷惑。

そのグラスを奪いたいのを耐え、なんとか待つ。

仰いだそれを机に置き、ようやっと彼は喋った。

 「カヤ、お前麓冬抜けろよ」

……は?

なんの脈絡もなく、命令をしてくるヤナギさん。

意外と子供っぽい人だし。漫画の真似だろうか。

それを冗談と思いたくて、笑みを浮かべる。

しかし笑顔とは裏腹に、手汗は止まらなかった。

 「ヤナギさん、酔ってきちゃったんですか?そうだ、窓開けますね」

足を縺れさせながら、窓際まで向かう。

その提案は、実の所自分の頭を冷やす為だった。

窓を開けながらも、背後からの視線を感じる。
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