黒百合の女帝
最終の調整
 「カヤ?どうかしたの?」

ユリさんの声に、現実へ引き戻された。

勘付かれる訳にはいかないと、口角を上げる。

苦手な作り笑いは、歪かもしれなかった。

 「大学に行くと、どうにも疲れて……」

 「ああ。眠いなら寝な。ハラが来ると目が覚めちゃうから。」

 「じゃあ、そうさせて頂きます」

彼女から顔を背ける為、即座に背を向く。

ソファに転がると、光の速さで毛布を羽織った。

大学で疲れたのは事実である。

が、人間関係のストレスがその倍以上だった。


 ヤナギさんと喧嘩して、三日が経った。

ヤナギさんは俺の指を気にしてか、毎晩来てくれる。

しかしその間は、何一つ言葉を交わさず。

彼が置いて行った食材に手を付け、就寝する。

それがここ二日の過ごし方だった。

今日も家に帰ったら、ヤナギさんと鉢合わせる。

そう考えた時、毎回頭に様々な台本が浮かぶ。
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