黒百合の女帝
 なのに、なんでこんな時だけ

 「なんだ、そんなこと。」

そんなに、優しく言ってくれるんですか。

 「カヤとヤナギなら平気だよ。勝手かもだけど。」

 「でも、俺ヤナギさんに酷い事して……顔を叩いたんですよ!?」

思わず、ユリさんと握る手に力が篭った。

それに気付き、彼女から不意に手を離す。

しかし彼女は俺の手を掴み、硬く結び直してきた。

 「二人はその一発で壊れる程度の絆しか持ってなかったの?」

彼女の言葉に、今までの思い出が溢れてくる。

小学校に入る前から、ずっと一緒だった。

思い出なんて余る程ある。でも全て大切で。

彼女の問いに、必死で否定したくなる程で。
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