黒百合の女帝
 「何か企んでいますね。」

 「はい……鋭い事で……」

午後九時。決心から一時間が経った頃だろうか。

総長室にて、俺はミヤビと向かい合っていた。

しょぼくれつつ、ミヤビの様子を盗み見る。

普段の笑みは消え、感情が見えないその表情。

いつ見ても恐ろしいものだ。本当に高校生か?

忙しなく指先を動かし、ミヤビの開口を待つ。

そんな中、ようやっとミヤビが溜息を吐いた。

 「で、一体何をしようとしていたんですか。」

 「嶺姫と春姫の虐めの件について調べようと……」

最後まで言い切る前に、溜息が被さってきた。

それに萎縮しながら、言い訳を何とか考える。

多分、俺が未練タラタラな事に怒っているんだろう。
< 528 / 605 >

この作品をシェア

pagetop