黒百合の女帝
 「あのな、前にも言ったが俺に未練なんてのはなくて」

 「大丈夫です。僕も協力しますので。」

 「……へ?」

俺の間抜けな呟きを無視して、茶を飲むミヤビ。

顔を上げて、その上品な姿を凝視する。

すると彼は眉を顰め、ティーカップを置いた。

 「あなたはどれだけ言っても、ユリさんの事を忘れないでしょう?」

 「いやっ、それは……まあそうかもだが」

 「ならいっその事、僕はあなたに加担しましょう。」

ミヤビの優しい言葉に、思わず甘えたくなる。

しかし、俺は一人で調査すると決めたのだ。

苦いストレートを一口飲み、気を引き締めた。

 「それは嬉しいが、俺は一人で調査するって決めたんだ」

 「そうですか。ならばどうぞ頑張って下さい。」

あっさりと引き下がり、茶を継ぎ足すミヤビ。

この潔さは、もはや見慣れたものだった。

物足りなさを感じつつも、早速調査しようと。
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