黒百合の女帝
 一週間後、廃校舎の体育館にて。

並べられた長机と、古びたパイプ椅子。

それに腰を掛け、周囲を見回す。

刑牙、空死、蝋火等の消失事件の関係者は勿論。

他にも多くの族の総長、副総長が参加していた。

それらを確認した後、左隣の様子を覗き見れば。

少々緊張した様子のカヤがそこに居た。

まあ、この中では最年長かもしれないな。

その腕を突き、強がった顔をこちらに向かせる。

 「なんだ?ユウリ」

 「別に。俺は発言する気だから。総長は好きにして。」

 「ああ。わかった」

互いに慣れない口調で会話をし、前に向き直る。

この中に私を疑っている者は居なさそうだ。

現在、私は体のラインが隠れる服を着ている。

その上、帽子やマスクで顔全体を隠していた。

カナルに初見で戸惑われた程には高い完成度だ。

嶺姫と気付かれる危険性は極めて低いだろう。
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