黒百合の女帝
 それ以降、会話を交わす事なく午後八時に。

進行役のカナルによる号令で、会議は開かれる。

自己紹介も怪しまれることなく無事に終え。

そのまま本日の議題に入ることになった。

 「孔冥の方では嶺春倉庫への奇襲を考えている。決行は六月の上旬。今日ここに居る族で仕掛る」

カケルがよく通る声で、そのように説明する。

その計画に異議を唱える者は居なかった。

それを確認すると、カケルが一つ頷く。

 「嶺春の情報は手元の資料を見て貰うとわかると思うが___」

カケルの話に耳を傾けつつ、紙束を手に取る。

嶺春は全体で223名。ポジション持ちは20名。

幹部は3名。つまりヤユの席は未だ空席と。

ページを捲り、要注意人物の欄を確認する。

その中に、八雲草希という名前が見受けられた。

カケルを騙した奴だったという記憶があるが。

まさか実力者だったか、とページを捲り続ける。

つまらぬ事に、他は知っている情報のみだった。
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